The postmodern has come.

公明党の議員秘書だった頃 第3 公明党国会議員と文通費

陰で秘書にディスられる公明党議員

私は公明党の山本博司参議院議員の公設第二秘書でした。なぜ私が採用されたのかというと、当時の第一秘書が愛媛県の松山市議選に出馬することになり、玉突きで第二秘書が空席になったからです。第一秘書は無事当選しました。現・太田幸伸 松山市議です。

太田は私の先輩として、いろいろなことを教えてくれました。彼が特に熱を入れて語ることは、山本がいかに信頼に値しない人間であるかということでした。曰く、まるでロボットのようで人間味をまるで感じない。気づかいや心遣いというものがなく、思い付きに振り回されてきた。

山本についての人物評は、少なくとも全く的外れということはできないというのが私の感想ですが、加えて太田がよく語ってくれたのが、山本をはじめとした公明党国会議員がいかに金に汚いかという話でした。

折しも、維新の会のぶち上げたキャンペーンで国会議員の文通費問題にスポットライトが当たっている昨今。本記事では、私が見た公明党国会議員のお金の実情を記します。

文通費と国会議員の懐事情

さて、文通費は正式名称を「文書交通通信滞在費」といいます。その名の通り、国会議員が使う経費に充てられるために国から議員個人に支給されるお金です。議員歳費(議員の給料)はおおよそ月額130万円に、ボーナスが年間4か月分ですが、それに加えて毎月文通費が100万円支給されます。

歳費は給与所得なので当然所得税や住民税などが課税されますが、文通費は一切の税金がかかりません。議員個人の口座に現金とっぱらいで、いま維新の会が問題視しているように、使途報告の義務もありません。実質、国会議員のお小遣いとなっているのです。

とはいえ、国会議員ともなると政治活動にはそれなりのお金がかかります。別に後ろ暗い金配りをするわけではありません。自身の後援会の運営にしても人件費や会場費などの経費は掛かりますし、秘書も普通は公設秘書3人だけでは足りないので私設秘書として追加で雇います。秘書が動けばガソリン代などもかかってくるわけです。自民党や立憲民主党などの「普通の」議員の多くは、歳費と文通費あわせて年収4000万円級といえども、そんなに懐に余裕があるわけではありません。寄付金をたくさん集められる大物議員となると話はまた別ですけどね。

山本博司は払わない

ところが、日本には「普通」でない政党があります。公明党です。まず、公明党の議員は後援会活動の必要がありません。自分で人を動員し、票を集めなくても創価学会が全部勝手にやってくれるからです。むしろ、独自に票を集める活動を行うような議員は危険人物扱いされる空気すらあります。

共産党も、個人の後援会というよりは党がトップダウンで政治活動を行う政党ですが、いうても彼らは政党としての枠内でお金を集めて、自律して運営を行っています。日本最大の宗教団体が手取り足取り面倒を見てくれる公明党とは話が違います。

というわけなので、山本を含む多くの公明党議員には私設秘書がいません。いても事務所の事務パートの女性くらいです。そして、私がいたころは年間700万円の政党支部(実質は山本の事務所)運営費が党から下りてきていました。この原資には政党助成金が含まれます。

太田によると、この支部運営費が下野したタイミングで減らされたことがあるそうです。山本は、党では主に四国を担当ブロックとしている比例選出議員なのですが、公明党の四国本部が香川県高松市にある一方、山本の地元は愛媛県です。そこで、第一秘書は松山事務所に、第二秘書は高松事務所に配置されていたのですが、運営費削減のあおりで松山事務所の家賃が払えなくなったというのです。

政治家にとって地元とのきずなは生命線ですから、普通こういう時は議員が自腹を切って事務所を維持するものです。ところが、山本は一切を太田に丸投げ。窮した太田は松山事務所を引き払い、自宅の一室を山本の事務所として提供することにしたというのです(おかげで、太田の市議当選後に愛媛担当となった私は高松から通っていました)。


ここで、既に切れる腹がなかったのではと思われる方もいるかもしれません。ちがうのです。山本は、自分の事務所に対して自分の手元のお金を入れることは一切なかったのです。つまり、歳費はもちろん文通費もすべて自分の総どりにして、それらを山本が何に使っているのか、秘書ですら知ることはできないのです。

ちなみに、山本は議員当選後に目黒の家を建て替えています。普通国会議員は地元に住むものですが、山本の妻はエキセントリックで創価学会内ですら鼻つまみ者扱いをされているので、むしろ地元にいないほうがいいというのが許されている理由の一つです。なお、山本本人は高松のシーサイドエリアにマンションを購入し、生活実態のない住民票をそこに置く、という姑息な真似をしています。

公明党の秘書搾取体質

公明党には悪しき習慣があります。公明党に限った話ではないのかもしれませんが、議員を乗せたり、政治活動のために各所を訪問したり、仕事のために使うのに自動車を秘書に買わせるのです。私は29歳で大学院を出た身でしたので一応新卒だったのですが、プリウスαを購入することを求められました。しかし、当然ローンのための信用などありませんから、父の名義で金を工面して買いました。私は3年間秘書を務め、走行距離は12万キロを超えました。クビになった時にはローンが2年分残っていましたが、補償など当然ありません。

これが、議員本人が出すべきお金を出し、決して恵まれた暮らしをしているのではないというのならわかります。しかし、山本は毎月230万円を懐にし、政治活動のための出費は一切ない状況。公設秘書の給与は決して安くない(私は年収700万円弱でした)といっても、納得できるやり方ではありません。どこまで人の金に胡坐をかけば気が済むのでしょうか。

山本だけではなく、私が公明党内で確認した範囲では、谷合正明 参議院議員、遠山清彦 元衆議院議員も秘書に業務用の車を買わせていました。

そのうえ、山本事務所では毎年寄付金を地元で募っていました。これが、山本ごとき弱小議員ではせいぜい百数十万ほどしか集まらないのです。言い方は悪いですが、こんな少額のために支援者に借りを作って、何の意味があるのでしょうか。山本が文通費の2か月分も事務所に入れれば済む話です。

公明党の本性

山本の地元のとある他党の元国会議員と話をした際、元議員は山本に私設秘書がいないことに驚いていました。普通は公設秘書は3人とも東京において、地元は私設秘書を置くものだ、と。そのために出費がかさみ、議員時代はずっと赤字だったというのです。

私は、話を聞いていて恥ずかしくなりました。庶民の党、平和の党とアピールし、私自身もそれを信じてきましたが、創価学会=公明党の実態は、エリート会員サークルが何も知らない一般会員の喜捨や、国民の税金を使って左団扇で暮らすための堕落した官僚組織にすぎないのです。どうしてこんな団体に人生を30年もささげてしまったのかと、悔やんでも悔やみきれません。

こんな公明党が、いまさら文通費について党内に統制を効かせられるわけがありません。それなので、文通費問題について公明党は微温的なのです。できれば触れられたくないし、使途公開などできるはずもないのです。